2010年12月31日金曜日

『伊豆の大地の物語』(小山直人)……年寄りになると岩に興味が出てくるのだ

この本:

帯の宣伝文句は川勝平太が書いている。曰く:
伊豆半島は、地球の造山活動の傑作のひとつであり、多様性に富み、世界でもっとも美しい半島です。伊豆半島を「ジオパーク」にするのは「ふじのくに」の使命です。本書はそのために書かれた万人必読の最良の案内書です。本書を推薦します! 静岡県知事 川勝平太。
あらら「世界でもっとも美しい」と断言されている。博覧強記で世界中を調査し尽くした川勝平太が言うのだから、多分ホントなんだろう。

著者が深海艇で松崎沖の深海に潜り、フィリッピンプレートがアモールプレートの下に潜る現場を確認する場面は圧巻。はるか南洋からやって来た「伊豆火山島」は、本州にぶつかり半島となり、更に数十万年経つと駿河湾すら消滅させるというのだ。伊豆半島は地質学的に「ニッポン」ではないのである。こういうお話し、おいら好き。

宇久須の上に見える採石場は珪石採掘のためだという。素晴らしい珪石があるそうだ。その道の人にとっては宇久須とはすなわち珪石であるらしい。おいら凡人はあの山肌はむき出しでカッコワルイと思うのだけれど、地質学者にとっては素晴らしい光景であるようだ。グリーンは時代遅れになるのかもしれない。

人間歳をとると、趣味の対象が徐々に変わってくる。若いうちは、鳥とか動物とか動くものが好き。段々動かない植物が好きになる。いよいよ歳をとると、植物にも満足できず、全く動かない「岩石」が好きになるという。 だから江戸時代の趣味人は「石」に巨万のカネを払った。おいらも段々そんな歳になりつつある。

伊豆半島の地理を「地学的」に理解しようと思うなら最高の案内書。堂ヶ島海岸の成り立ちなど写真入りで具体的な説明が多い。おすすめ。

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